勇者(やっとたどり着いた……)
勇者(この山頂に刺さっている伝説の剣を引き抜いて、魔王を倒す!)
勇者「よぉ~し、抜くぞぉ~!」ガシッ
勇者「ふんっ!」グッ…
勇者「おっかしいなぁ……勇者なら抜けるはずなのに……」
勇者「ふんっ!」グッ…
勇者「ぬんっ!」グッ…
勇者「ぐぬうっ!」グッ…
勇者「ダ、ダメだぁ……」ハァ…ハァ…
勇者「そおりゃっ!」グッ…
勇者「でいやぁっ!」グッ…
勇者「ちくしょう、ビクともしない……なんで!?」
勇者「これ以上やると、魔王と戦う前にぎっくり腰になっちまうよ……」
ポロン…
勇者「伝説の剣が抜けないのなら、抜くことにしよう」
勇者(よぉし、魔王にさらわれた美しい姫のことを妄想しよう!)シコシコ…
勇者(姫……姫……ああっ、姫っ……!)シコシコ…
勇者(姫ぇぇぇ! なんとお美しい!)シコシコシコシコ…
勇者「姫ぇぇぇぇぇっ!」ビュルルルルルッ
勇者「ああっ、あっ、あああっ!」ビクッビクッ
勇者「よし、今日は魔王に凌辱されてる姫を妄想しよう」シコシコ…
勇者(魔王……なんてことを!)シコシコ…
勇者(魔王、やめろぉぉぉぉぉっ! 姫になんてことをっ!)シコシコ…
勇者(やめろっ! ああ、姫、なんというお姿に……!)シコシコシコシコ…
勇者「やめろぉぉぉぉぉっ!」ビュルルルルルッ
勇者「ふうっ……」ビクッビクッ
勇者「姫っ、姫っ、姫ぇぇぇっ!」シコシコ…
勇者「姫っ、だめぇっ、姫っ、らめぇっ!」シコシコ…
勇者「そっ、そんなっ! 姫ぇぇぇぇぇっ!」シコシコシコシコ…
勇者「うおおおおおっ!」ビュルルルルルッ
勇者「……」
勇者(マズイな……美人は三日で飽きる、なんていうけど)
勇者(姫に飽きてきたぞ……しょせん妄想だしな)
勇者「今日は……ちょっとチャレンジしてみるか!」
勇者「剣っ……! 剣っ……! 伝説の剣っ……!」シコシコ…
勇者「ムリだ。さすがにこりゃキツイわ」
勇者「だったら擬人化してみよう!」
勇者(剣子ちゃん……剣子ちゃん……剣子ちゃぁぁぁんっ!)シコシコ…
勇者「剣子ぉぉぉぉぉっ!」ビュルルルルルッ
勇者「おお、イケるぞ! これ!」
勇者「剣子っ……剣子っ……!」シコシコ…
勇者「やめろっ……そんなっ……! そんなもんで挿されたら……!」シコシコ…
勇者「だめぇぇぇっ!」シコシコ…
勇者「剣子、よせぇぇぇぇぇっ!」シコシコシコシコ…
勇者「ソォォォド・オヴ・レジェンドォォォォォ!」ビュルルルルルッ
勇者「……」
勇者(う~ん、擬人化もオレのデザインセンスがないせいか早くも飽きてきたな)
勇者「今日はどうしよう?」
勇者「剣そのもので抜くのはムリだ。やっぱりレベルが高すぎる。だったら──」
勇者(剣を男性器、山を女性器に見立てれば……)シコシコ…
勇者(うん……こりゃいい!)シコシコ…
勇者「あんだけ引っぱっても抜けないなんて、どんだけキツキツやね~ん」シコシコシコシコ…
勇者「きっつぅぅぅぅぅぅ!」ビュルルルルルッ
勇者(うん……いい!)ビクビクッ
勇者(今日も昨日と同じような妄想をして抜くとするか)シコシコ…
勇者「剣と……山っ! 剣と……山っ!」シコシコ…
勇者「剣山っ! 剣山っ……! 剣山んん……!」シコシコ…
勇者「けぇぇんざぁぁぁぁぁんっ!」シコシコシコシコ…
勇者「あぁぁぁぁぁぁんっ!」ビュルルルルルッ
勇者「……」
勇者「待てよ……? 剣ってよくよく見てみると──」
勇者(剣って……美しい女の脚にも見えるよな!)
勇者(うん、絶対見える!)
勇者(なんて美しい脚だ……!)シコシコ…
勇者(こんな脚に踏まれたり、蹴られたりしたら、最高だろうなぁ……)シコシコ…
勇者「ああっ……そんなっ! もっと踏んでっ……! 踏みにじってぇ!」シコシコ…
勇者「蹴り上げてぇぇぇぇぇっ!」シコシコシコシコ…
勇者「ありがとぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」ビュルルルルルッ
勇者「……」ハァ…ハァ…
勇者「もう……蹴られたり踏まれたりしなくてもいいっ……!」シコシコ…
勇者「この美しいおみ足を眺めているだけで」シコシコ…
勇者「俺の性的興奮はっ! マックスにまで高められるっ!」シコシコ…
勇者「この世のどんな女よりっ!」シコシコ…
勇者「この脚はエロスッ!」シコシコシコシコ…
勇者「しあわせぇぇぇぇぇっ!」ビュルルルルルッ
勇者(ついに恐れていたことが起こってしまった)
勇者(俺は今、伝説の剣を眺めている。いつものように何かに見立てることなく)
勇者(にもかかわらず──性的興奮を覚えている!)
勇者「剣っ……! 剣っ……! 伝説の剣っ……!」シコシコ…
勇者「その古びた柄、きらめく刃、突き刺さり方、なにもかもが素晴らしい!」シコシコ…
勇者「剣っ! 剣っ! 剣っ! けぇぇぇぇんっ!」シコシコシコシコ…
勇者「伝説の剣っ!」ビュルルルルルッ
勇者「ああっ……ああっ……!」ビクッビクッ
勇者「……ついに、ついにやってしまった」
勇者「剣をオカズに自慰行為!」
勇者(しかし……背徳感はない。むしろ清々しい気分だ)
ズボォッ!!!
勇者「伝説の剣が……ひとりでに抜けた!?」
勇者「あれだけ引っぱっても、抜けなかったのに……!」
勇者「そうか、やっと分かった……!」
勇者「“伝説の剣を抜く方法”は“伝説の剣で抜くこと”だったのか!」
勇者「わわっ!?」
伝説の剣『テメェがオレを引き抜けなかったのはなァ!』
伝説の剣『単純にレベルが足りなかっただけだァ!』ブンブンッ
勇者「ひいいっ!」
伝説の剣『なのにテメェと来たら……修行するどころかオナニーしかしねェ!』ブオンッ
勇者「あぶねっ!」
伝説の剣『しかもオレをオカズにするとか……ヘンタイの極みもいいところだァ!』ブンッ
伝説の剣『ブチキレて、ひとりでに抜けたくもなるってもんよォ!』ブンブンッ
勇者「や、やめろって! 当たったらどうすんだ!」
伝説の剣『うるせェ!』ブオッ
伝説の剣『よくねェッ!』ブオンッ
勇者「うおっ!」
伝説の剣『まぁいい……こうなったらとっとと魔王ブッ倒すぞ!』
伝説の剣『テメェみたいなヘンタイに長く使われたくねェしな!』
勇者「わ、分かったよ……」
勇者「ところで、一つだけ頼みがあるんだが」
伝説の剣『あ? なんだよ』
勇者「旅を再開する前にもう一回……アンタで抜いていい?」
伝説の剣『去勢されてェのか?』ギラッ
勇者「ごめんなさい」
…………
<魔王城>
ザシュッ!
最高幹部「ぐぎゃぁぁぁ……!」ボシュゥゥゥ…
勇者「どうやら今のが、魔王軍のNo.2だったみたいだ」
伝説の剣『ってことは、この先の部屋にいるのが魔王だな!』
勇者「扉を叩き切って、なだれ込むぞ!」ダッ
伝説の剣『オウよ!』
ズバンッ!
姫「こうですか? こうですか?」ヒュバッ
バチィンッ!
魔王「あああああ~~~~っ! いいいい~~~~~~~~~~っ!」
魔王「もっと強く! もっと強くお願いしますぅぅぅぅぅ!」
姫「もっと強く……? 私の力じゃとても……」ハァ…ハァ…
勇者「……」
伝説の剣『……』
姫「あら、勇者様! 実は──」
魔王『勇者がなかなか攻めてこんから、ワシを責めてくれんか?』
姫「──とお願いされまして……。だからムチを振るって……」
勇者「はぁ……」
伝説の剣『ったく、どいつもこいつも……!』イライラ…
伝説の剣『魔王! テメェはオレ直々に責め上げてやらァ!』ザシュッドシュッ
伝説の剣『楽には殺さねェぞ!』ドシュッズバッ
魔王「ぐおおおお~~~~~! ありがとうございます、ありがとうございます!」
勇者「──ってことは」ポロン…
勇者「俺は姫で抜けばいいんだな! やっぱり実物はちがうわ~」シコシコ…
姫「まぁ、勇者様ったら……」ポッ…
~ THE END ~